腰椎分離症
第3腰椎(L3)を例にして説明します。
腰椎は骨がまだ十分に成長しきっていない10歳代に激しいスポーツを行うと、赤い線の部分に過度の負荷がかかるため骨にひびが入り、このような状態が繰り返されると遂には完全な骨折を生じ、椎体と椎弓が分離します。
上の青い○を斜めから写したものです。
緑の転線が腰椎上下の関節です。
赤い線に分離が起こるとL3は前後に分離してしまいます。
身体を後ろに反らす事で分離はより離れてしまいますので腰を反らさないように過ごすだけでも腰椎分離症の症状は軽減します。
腰椎には生理的弯曲(前弯)がありその前弯のカーブには個人差があります。強くカーブしている人は歩行時に分離部分に負担をかけているのです。
本人の癖が前弯をつくるので腹筋に力を入れて癖を治す努力をすると効果が期待できます。
年代別の治療法
10代の分離症であれば、固定で骨癒合(こつゆごう)の可能性があるので経過を追います。学校の体育授業は許可するものの、約6カ月間は過激なクラブ活動を制限するか、時には禁止する必要があります。
この間は自分で出来る筋トレをします。
脊柱を過度に動かすことなく筋肉を鍛える方法で、腹筋の強化には仰向け姿勢で膝を曲げたままへそを見る程度に頭をもたげる運動、背筋の強化にはうつぶせ姿勢で頭が10cm程度上がる程度に背中を反らせる運動を行います。毎日、それぞれ10回程度行います。
20代を過ぎると骨癒合は期待できないので固定をし症状が緩和するのを待ちます。
中年以降は骨の変性変化が進むため腰痛は軽減する。下肢が痺れたり歩行時の下肢の痛みなどの神経症状のみとなってきます。
下肢の症状が強く出る場合は手術が必要になります。